瑠璃色レンズ

レンズ越しに見たこと、思ったことを綴ります。

「個人の記録」が持つ魅力~幕末の日記と現代のブログ~

先日、NHKのBSで「英雄たちの選択スペシャル 大奥贈答品日記」という番組を観ました。
元々は2019年に放送された番組の再放送で、何となく面白そうなテーマだったので録画していたのですが、期待以上に楽しめました。

 番組のあらすじはこんな感じです。(公式サイトより引用)

250年の歴史を持つ大奥。その最後の最高権力者として知られる「瀧山」の日記が見つかった。
テレビ初公開!番組では6か月にわたり徹底調査、天璋院和宮、歴代将軍など幕末の要人と瀧山の間で贈り贈られた「貢物」の記録だった。
閉ざされた女だけの空間でどんな贈り物がどんな目的で行き交っていたのか?日記の行間からは、男たちの政治の世界とつながり暗躍する女性の姿が。
今回の調査でまったく新しい幕末が見えてきた。

www.nhk.jp

 
江戸城の大奥と言えば、過去にドラマ化や映画化もされていて有名ですが、その実態は、あまり史料も残っておらず謎に包まれているのだそう。将軍のプライベート空間なので当然と言えば当然です。

そんな中発見されたこの記録、瀧山の子孫に当たる方のお宅に保管されていたものだそうです。自然災害や戦災に遭うことなく100年以上残っていたことがまず、奇跡的ですごい!!

記録を検証してわかったこと

幕府内で異例の昇進をした人物から、お礼の名目で品物が瀧山に贈られている。このことから、瀧山が幕府の人事をも動かせる力を持っていたことが推察されます。

また、第十四代将軍・徳川家茂和宮の婚礼を取り仕切ったお礼にと、和宮から贈り物をされていたり。

大小を問わず様々な出来事にまつわるヒト・モノ・カネの動きがつまびらかになり、幕末がぐっと身近に感じられました。

「個人の記録」の魅力

歴史研究の面から考えると、貴重な史料が発見されて凄い!という話なのですが、私はその史料が「個人の記録」であったことに一番の面白さを感じました。

というのも、瀧山は決して「未来の歴史研究に役立つように」なんて思いで書き遺していたわけではないと思うんですよね。(結果的にはそうなってるけど)

あくまで備忘録的なメモというか、仕事上の書類という位置付けだったはず。

でもそういう日常の記録だからこそ、遠い過去の歴史にも関わらず、立体感と温度感を持ってリアルに伝わるものがある。

それが本当に魅力的で、ワクワクして面白いと思ったんです。

実在する(した)けれど自分が行くことはできない時代・場所での出来事を、誰かの記録を通して追体験した気になれるって、すごく楽しい。

私がいろんな方々のブログを読むのが好きなのも、その楽しさを求めているからなのかもしれないです。

おまけ

今年の大河ドラマ「青天を衝け」は幕末からスタートしています。

主人公は渋沢栄一ですが、最後の将軍・徳川慶喜も重要なキャラクターとして描かれるようなので、チラッと瀧山が登場することもあるのかな?ちょっと期待してこちらも楽しもうと思います!